第12次 業種別審査辞典(発行:一般社団法人 金融財政事情研究会)という本があります。全9巻で1370の業種について、業務内容や業界の動向がまとめられています。
この本を眺めていると、「専門サービス・コンサルタント関連」という業種部分に技術士が掲載されています。技術士の項目は8ページ分あり、「技術士とは何か」といった制度面の説明や事務所収支のモデルケースなどが紹介されています。
技術士事務所の運営モデル | |
技術士 | 1名 |
技術士補 | 1名 |
事務職 | 1名 |
合計 | 3名 |
技術士所得の平均値や経営指標としては、具体的な値の代わりとして、このモデルケースの場合の事務所の一ヶ月の収入/支出が紹介されています。紹介されている金額は、一ヶ月の収入が160万円、支出が160万円でキャッシュフローがプラスマイナスゼロというものでした。
他の士業で記載されている収入や経営指標の具体的な数値は、多くが別の調査機関などが公表した結果が元になっています。技術士については、参考となる具体的なデータがあまりないことから、その代わりとしてモデルケースが紹介されているのでしょう。
審査の着眼点(技術士)
業種別審査辞典には、業種ごとに融資などを行う場合の審査の着眼点がまとめられています。技術士の審査の着眼点は次のような項目でした。
- 経営の安定性
- 報酬額設定の適切さ
- 財務構成
- 経営者の資質
辞典では、それぞれの項目について注意すべき点が簡潔にまとめられています。他の士業の審査の着眼点と比べると、「報酬金額の適切さ」という項目が特徴的でした。
日本技術士会の参考資料
技術士の報酬については、日本技術会から「技術士の報酬アンケート」の結果が公開されています。
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技術士の自営の比率
公益社団法人 日本技術士会の資料「技術士制度について」によると、技術士登録者数の合計は約8万名です(平成26年3月末現在)。このうち、約8%が自営で業務を行っているそうです。単純計算では約6400人が自営を行っていることになります。