IoT(Internet of Things)に関する世界の取り組みは、
- ドイツのインダストリー4.0
- アメリカのGEを中心としたインダストリアル・インターネット・コンソーシアム(IIC)
が有名です。日本には日本版インダストリー4.0と呼ばれる取り組みがあります。IoTに関する日本の取り組みに関しては、「日本の強みを生かす」という言葉をよく耳にします。具体的には「日本は、強みを生かしてエッジ側に注力する」といった話です。 IoTでは、エッジと呼ばれる負荷分散のための中間処理部の概念があり、日本はそこに注力するという意味です。
ビジネスを始めるときによくある問い
何かビジネスを始めようとした時、「自分の得意分野をやったほうが良いのか」それとも「未経験だけど儲かることをやったほうが良いのか」という問いがあります。いろいろなビジネス書で述べられているのは、総じて次のような意見です。まず、「自分の得意分野をやるのがよい」という立場の意見は、
- ビジネスを始めると、いろいろな壁にぶちあたる。
- 得意分野であれば、障害があっても諦めないで突き進むことができる。
- これまでの十分な蓄積があるので、他者や競合に対して優位性がある。
といったものです。一方、「儲かることをやるほうがよい」という立場の意見はというと、
- その時々で、儲かるビジネスは変わる。
- まったく知らない分野でビジネスを始めても、これまでの経験は何らかの形で役立つ。
- ビジネスを始めると、嫌なこともある。嫌いにならないためにも、趣味や得意分野をビジネスにしない方が良い。
といったところです。
そもそも得意分野とは
自分のことを振り返ると、そもそも得意分野だと思っていることは、たまたま入った会社で、たまたま割り当てられた仕事です。しかし、
- 「得意分野に注力する」ことは「たまたま上手くいった過去の成果にしがみついてるだけ」
別の言い方をすれば
- 今の自分は、過去の自分と同じ成果を出す自信がないと感じた時、その心の拠り所を探しているに過ぎない
と考えることもできます。
エッジ側に注力するという立場
アメリカやドイツは、概念やシステムといったIoTの上流側で主導権を握ろうとしています。その理由は、端的に言えば下流側よりは上流側が儲かるからでしょう。IoTのエッジ側に注力するという立場には
- 参入障壁が低いのではないか。急速にコモディティ化が急速に進むのでは?
- ルールを自分でコントロールできないのではないか?
- 従来の産業を代替できるような利益が出せるのか?
といった懸念が頭をよぎります。エッジ側への注力という立場の表明が、自信のなさの裏返しでなければ良いのですが。