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石丸技術士事務所のブログ

技術

標準APIを利用するコスト

2016/06/07

パソコンやスマホ用のアプリケーションを作る場合、標準的なAPI(Application Programming Interface)を利用することがほとんどです。例えば、3Dコンピュータ・グラフィクスであれば、OpenGLやOpenGL ESといったAPIが利用されます。これらのAPIを利用すれば、ゼロからコンピュータ・グラフィクスをプログラムする手間が省けるからです。OpenGLやOpenGL ES、OpenCLといったAPIは、khronosで標準化や仕様策定が行われています。

Khronos Group - https://www.khronos.org/adopters

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photo credit: The Lagoon Nebula (M8) via photopin (license)

APIを利用するコスト

OpenGLやOpenCLといった標準APIは、それを直接利用するユーザーは(ほとんどの場合)無償で利用できますが、メーカー側は"Conformance Test"と呼ばれるテストを行う必要があります。このテストを行うことで、ある製品がAPIに準拠しているかどうかが確認されます。また、このConformance Testを行わなければ、"XX準拠"といった表記やロゴを使用することができません。そして、Conformace Testは、お金がかかります。
Conformance Testの料金は、APIの種類やバージョンによって異なるようですが、およそ$10,000~$45,000の範囲となっています(Members価格の場合)。最新のVulkanという3D CG用APIの料金は、$45,000(Non-Memberは$60,000)のようです。1ドル100円とすると、Member料金でも450万円となり、それなりのコストがかかります。

Pay the Adopters Fee - https://www.khronos.org/conformance/adopters/

API準拠製品のリスト

Conformance Testをパスした製品は、khronosで公開されています。例えば、2016年に公表された製品の数は、次のようになっています(2016年6月現在)。ct

Conformance Products - https://www.khronos.org/conformance/adopters/conformant-products

これを見ると、最新のAPIであるVulkan準拠の製品開発が活発なことがわかります。Vulkanは、50以上の製品が既に公開されています。Conformance Testの料金を考えた場合、単純計算で$45,000x50=$2.25M=(約2.25億円)の料金が発生していることがわかります。

Vulkan仕様書のCredits

Vulkanの仕様書には、企業Creditsが記載されています。有名な企業ではARM, Intel, AMD, NVIDIA,Imagination TechnologiesといったCPUやGPUメーカーの名前が記載されていますが、それに加えてRed Hat,Oculus VR,Pixar,Lucasfilmといった企業も記載されているのが興味深い所です。

3D CG用APIとWebGL

3D CGアプリの開発は、iOSやAndroidといったOpenGL ESをサポートするOS用の開発キットが提供されるようになり、入手や開発が手軽に行えるようになりました。また、そのような開発キットを使わなくても、ブラウザだけで3D CGを扱えるWebGLでかなり本格的な3D CGを作れるようになりました。

from http://threejs.org/examples/#webgl_kinect

ただ、WebGLはデバッグが大変なんですよね。

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石丸技術士事務所: 石丸顕二(技術士 情報工学部門)

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