Netflixでスポーツに関連したアニメを見つけて何となく再生すると、「あしたのジョー連載開始50周年企画」と表示が。TBSで放送されていたらしいが、テレビを持っていないので50周年企画の作品があったなんて知らなかった。正直あまり期待していなかったけど、全13話を一気に見てしまった。最高だった!!特に、絵が綺麗なので安心して物語に没入できたのが良かった。50年間、みんなが考えた「おれならこういった物語を作りたい」といった想いが形になっているようにも感じた。
メガロボクスとは
タイトルのメガロボクスとは、身体の能力を強化する機器を装着して行うボクシングを意味する。物語の中では『メガロボクスは肉体とギア・テクノロジーを融合させた未来のボクシングです』と説明されている。あしたのジョーでは、主人公の矢吹ジョーは世界タイトルマッチの頂点を目指したが、メガロボクスの主人公はメガロボクスのトーナメントであるメガロニアの頂点を目指す。
時代設定と登場人物
この物語の住人は、市民と非市民に分けられ、生活地域が分離されている。あしたのジョーでは矢吹ジョーはドヤ街に住んでいたが、メガロボクスの主人公は未認可地区と呼ばれる地域に住んでいる。
時代設定について、物語の中で特に説明はない。ずっと未来の日本の話かもしれないし、地球ではない架空の星の話かもしれない。一見、テクノロジーが進んだ未来のようである一方、カセットテープで音楽を聞いている場面があったりする。戦争によるPTSDやAIのエピソード等に50年の年月を感じる。
登場人物
メガロボクスには、あしたのジョーと対応する人物が登場する。
あしたのジョー | メガロボクス |
---|---|
矢吹ジョー | ジャンクドッグ=ジョー |
丹下段平 | 南部贋作 |
力石徹 | 勇利 |
白木葉子 | 白都ゆき子 |
ゴロマキ権藤 | 藤巻 |
あしたのジョーの矢吹ジョーと、メガロボクスのジョーキャラクターデザインは、見た目はまったく違う。見た目はまったく違うのに、不思議と矢吹ジョーの面影がある。勇利は、少しホセ・メンドーサが入っているかもしれない。マンモス西風の登場人物もチョイ役で出ていた。サチオという子供の登場人物がハンチング帽をかぶっているので、子供版矢吹ジョーのようでもある。
ギア・テクノロジー
メガロボクスでは、ギアと呼ばれる強化機器を体に装着して戦う。物語が進むにつれてジョーが装着するギアがバージョンアップしたり進化したりすることで、能力がレベルアップしていくと想像していたのだが、ぜんぜん違った。意表を突く話の展開が待っていた。でも、「注目を浴びて名前を売り、最速でランキングを上げる手段」として、すごく納得できる展開だった。このアイデアはすごい。
力石徹の減量
あしたのジョーでは、力石徹が矢吹ジョーと階級を合わて戦うために壮絶な減量をするシーンがある。メガロボクスの勇利も、ジョーとの対戦のために、減量とは異なる壮絶な苦しみに耐えることになる。減量の代わりに用意した設定に違和感がなく、なんて絶妙なんだと感心してしまった。
メガロボクスは明日への希望の話
メガロボクスのテーマは、未来への希望の光ではないかと思う。ジョーがトーナメントに勝ち進むことが、みんなの希望になっていく物語。
昔あしたのジョーが好きだった人へのファンサービスだけではなく、今の人にハングリー精神を伝えるための作品という感じがした。
・もうイカサマはできねーな
・何がおかしいんだよ!戦ってねぇやつが笑ってんじゃねーよ!!
・あんたは何のために戦ってんだ?
あしたのジョー2は、真っ白に燃え尽きた矢吹ジョーがどうなったのかは、見た人に委ねられる結末だったが、メガロボクスはハッピーエンドで終わる。
しかし、ボクシングジムの名前が「チーム番外地」って本当に最高のネーミングだな。