Round Stone

石丸技術士事務所のブログ

その他

フィルターバブル

2018/01/13

フィルターバブルという言葉があります。「SNSや検索エンジンの表示結果が、それを利用する人の嗜好に偏ったものだけに限定されることで、多様な情報から隔離されてしまう状態」といった意味です。最初にこの言葉を聞いた時、「バブルってどういう意味なんだろう?」と疑問に思いました。フィルターバブルという言葉を造ったイーライ・パリサー(Eli Pariser)氏の講演を見ると、バブルは、"狭い世界に閉じ込められて、本来の全世界から隔離されている殻"という意味のようです。

フィルターバブルの問題点

イーライ・パリサー氏の動画でも述べられている通り、従来のマスメディアによる情報伝達も、マスメディアのルールの下でコントロールされていました。だた、従来のマスメディアの場合と異なり、フィルター・バブルの問題は「他の人も自分と同じものを見ている」という錯覚に陥りやす点だと言われています。テレビや新聞、雑誌といった従来のマスメディアでは、内容の良し悪しは別として、すべての人に同じ内容で届けられます。一方、SNSや検索エンジンで表示される結果は、利用する人の過去の検索や観覧行動によって、それぞれの人に(サービス提供企業から見て)最適化された結果が届けられることになります。例えば、「同じ事柄について検索しても、私が見ている結果とあなたが見ている結果は同じではない」ということです。テレビに例えるならば、同じ時間に同じチャンネルでニュースを見ていたとしても、見る人に応じて内容が変わっているということです。それにも関わらず、フィルターバブルがはたらくWebメディアでは、「みんな自分と同じものを見ている」という錯覚に陥ってしまいがちです。

ではどうするか

「別に何も問題ないのでは?」という考え方もあるでしょう。しかし、フィルターバブルが発生している現在のインターネットは、GoogleやFacebook,Twitterといった特定の企業の情報選別アルゴリズムによって、世の中がコントロールされているとも言えます。そのような状態を気にしないで受け入れられるか、受け入れることに抵抗があるかで、この状況に対する考え方が分かれそうです。では、受け入れられない場合にはどうすれば良いのか。まずは「インターネットで見た情報は、テレビのようにみんなが見ている情報ではない」と気付いていない人が多数を占める世の中で生きていることを、しっかりと認識して行動するしかなさそうです。そして、自分自身では「自分が見ている情報と他人が見ている情報は、かなり違うかもしれない」と常に認識して行動するしかなさそうです。また、「短期的にはこのような状況は残念ながら変わらない」と考える人たちが、「どのような行動をとるだろうか、どのように現状を切り抜けるだろうか」といった視点で、世の中の流れを注視しながら行動する必要があるかもしれません。
このようなインターネットの現状は、長期的には正常な方向に改善されていくのかもしれません。でも、短期的な"今"も大切なんですよね。
チューリップ・バブルのように、フィルター・バブルの殻も弾けて無くなれば良いのですが。

photo credit: human_wildlife bubble game via photopin (license)

投稿者プロフィール

round_stone
round_stone
石丸技術士事務所: 石丸顕二(技術士 情報工学部門)

photo credit: human_wildlife bubble game via photopin (license)

-その他