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パリ協定

2016年11月に発効したパリ協定は、地球温暖化の抑制を目的とする国際的な協定です。気候変動枠組条約の第21回会議(COP21)がフランスのパリで開催され、そこで採択されました。パリ協定は、次の温暖化対策を目標としています。

第二条 1-(a)
世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも摂氏二度高い水準を十分に下回るものに抑えること並びに世界全体の平均気温の上昇を工業化以前よりも摂氏一・五度高い水準までのものに制限するための努力を、この努力が気候変動のリスク及び影響を著しく減少させることとなるものであることを認識しつつ、継続すること。

パリ協定(和文):http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000197312.pdf

地球温暖化の取り組み

地球温暖化対策は、これまでも「京都議定書」「カンクン合意」という流れで取り組まれてきました。この流れを引き継ぐのが「パリ協定」です。京都議定書とパリ協定は、法的拘束力がありますが、カンクン合意は法的な拘束力がなく、自主的な取り組みという点に違いがあります。ちなみに、カンクンは第16回気候変動枠組条約締約国会議(COP16)が開催されたメキシコの都市名です。

京都

京都

カンクン

カンクン

パリ

パリ

パリ協定の特徴

  • 京都議定書と異なり、これからも永続的に続く協定。
  • 京都議定書と異なり、削減目標の達成は義務ではない。ただし、5年ごとに削減目標を掲げることが義務。
  • 詳細なルールは決まっていない。

「削減目標の達成は義務ではないが、5年ごとの削減目標提出は義務」という取り組みは、多国間の意見をまとめ上げる方策として、非常に興味深いです。

日本の取り組み

京都議定書は、第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)で採択された温暖化対策の取り組みです。京都議定書は、2005年に発効しました。日本は、2009年に「2020年温室効果ガス25%削減目標(1990年比)」を掲げましたが、2011年には次の削減目標を掲げないことを発表しました。また、2015年には「2030年温室効果ガス26%削減目標(2013年比)」を発表しました。削減の基準とする年が変わっているので分かりづらいですが、要するに近年は、あまり積極的に削減することは目標としていないようです。

パリ協定の義務

地球温暖化について、「二酸化炭素といった温室効果ガスが本当に温暖化の原因なのか」という疑問を持つ人は多いでしょう。IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)という組織の第5次報告書では、「人間の活動が原因で温暖化が進んだ可能性は極めて高い(95%)」と述べられています。しかし、それでも「人間がいてもいなくても温暖化は進むのではないか?」、つまり「温室効果ガスの削減努力に意味はあるのか?」と考える人も多くいるはずです。特に、経済状況の異なる各国では、地球温暖化に対する取り組みに温度差があることは容易に想像がつきます。
そのような中で、パリ協定の「削減目標の達成は義務ではないが、5年ごとの削減目標提出は義務」という参加国をまとめ上げる落とし所は、非常にうまいやり方だと感心してしまいます。様々な利害関係者が関係するビジネスのプロジェクトなどに、同様の手法が応用できそうです。

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石丸技術士事務所: 石丸顕二(技術士 情報工学部門)

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