スター・トレック:ディスカバリーは、アメリカ制作のSF(Science Fiction)ドラマ。Netflixで視聴することができる。
スター・トレックTVシリーズの第6作目だが、スター・トレックを全く知らない人でも楽しめる。2020年6月現在、シーズン1 (15エピソード)とシーズン2(14エピソード)が公開されている。
シーズン1の主な登場人物
マイケル・バーナム | 宇宙船U.S.S.シェンジョウの副長だったが、クリンゴン帝国との戦争を引き起こし、反逆罪で終身刑になる。鉱山で働くことになったが、移送中にU.S.Sディスカバリーに収容され、乗組員になる。量子物理学に詳しい。 |
フィリッパ・ジョージャウ | U.S.S.シェンジョウの船長。マイケルの上官だった。クリンゴン人との闘いで死亡。 |
ガブリエル・ロルカ | U.S.S.ディスカバリーの船長。後に、平行宇宙から来た人間であったことがわかる。 |
トゥクヴマ | クリンゴンの救世主。トゥクヴマは戦いでジョージャウを殺し、マイケルによって殺される。 |
ヴォーク | クリンゴン人。トゥクヴマの後継者。 |
ルレル | クリンゴン人。監禁されていたアッシュ・タイラーと関係を持つ。U.S.S.ディスカバリーに亡命する。 |
アッシュ・タイラー | クリンゴン船に監禁されたいたが、脱出してU.S.S.ディスカバリーの保安主任になる。監禁中にクリンゴン人ヴォークの体を人間に改造し、タイラーの意識や記憶を再構築して精神を移植した。 |
シーズン1の話の流れ
- U.S.S.シェンジョウが、惑星連邦領域のはずれで恒星間リレーの損傷を調査している時、100年ぶりにクリンゴンに遭遇する。
- シェンジョウ船長のジョージャウと副長のバーナムは、トゥクヴマを捕えようとクリンゴン船に乗り込む。
- ジョージャウは、トゥクヴマに殺される。バーナムはトゥクヴマを殺し、クリンゴン帝国との戦争を引き起こす。
- バーナムは、反逆罪で終身刑になる。
- バーナムは鉱山で働くことになるが、移送中にU.S.S.ディスカバリーに収容され、乗組員になる。
- トゥクヴマの後継者であるヴォーグは、ルリルによって人間に改造され、捕虜になっていたタイラーの意識を埋め込まれる。ヴォーグはタイラーとしてディスカバリーの保安主任になる。
- ルリルは、ディスカバリーに亡命する。
- ディスカバリーは、胞子ジャンプに失敗して平行宇宙に出現する。U.S.S.ディスカバリーは、I.S.S.ディスカバリーに偽装する。
- 平行宇宙では、人類は独裁国家テラン帝国となっていた。テラン帝国は、高圧的で差別主義、異文化を嫌い、宇宙の覇権を握っていた。
- 平行世界のバーナムは、既に死亡していた。
- ロルカとバーナムは、元の宇宙に戻る手がかりを得るためにI.S.S.シェンジョウに乗り込む。
- テラン帝国の皇帝に会うために、ロルカとバーナムはI.S.S.カロンに乗り込む。皇帝は、平行宇宙のジョージャウだった。
- ロルカは、元々平行宇宙の人間であることがわかる。
- ロルカは、ジョージャウとの闘いで死亡する。
- カロンを爆破すれば、元の宇宙に戻れる可能性があることがわかる。
- ディスカバリーはカロンを爆破し、胞子ジャンプで元の宇宙に戻る。バーナムは、カロンからディスカバリーに転送される。その時、バーナムは平行宇宙のジョージャウもディスカバリーに転送してしまう。
- 平行宇宙でのジョージャウの経験から、クリンゴンの母星クロノスを攻撃する計画を立てる。
- クロノスの中心に爆弾を設置する。ジョージャウは、爆弾でクロノスを壊滅させて惑星規模の虐殺を行おうとしたが、その計画は中止され、爆弾の起爆装置はルリルに委ねられた。
- ルリルは、爆弾の起爆装置を盾にクリンゴンに対してクリンゴン帝国統一の声明を出し、戦争が終わる。
- バーナムの反逆罪に恩赦が与えられる。
物語の設定
平行宇宙
スター・トレック:ディスカバリーの世界では、平行宇宙(a parallel universe)が存在する。平行宇宙には、元の宇宙と同じ物や人物が存在する。
並行宇宙では、 元の世界とは状況が異なり、人類は独裁国家テラン帝国として覇権を握っている。平行世界のクリンゴンは、他の種族と共に反乱同盟を率いて宇宙の覇権を握る人類と戦っている。
このような元の宇宙とは異なる状況の中での、バーナムやその他の乗組員の心理描写が面白い。
バーナムは、テラン帝国で別の宇宙から来たことを気付かれないために、あえて高圧的、攻撃的に振る舞う。バーナムは、最初はそのように振る舞うことに心理的な抵抗を感じていたが、日に日にその抵抗感が薄れてテラン帝国に染まっていくように感じてしまう。
胞子ドライブ
胞子ドライブ(spore drive technology)は有機体の推進システム。
胞子網は銀河を繋ぐ静脈や筋肉であり、銀河の高速道路とされている。U.S.S.ディスカバリーは、胞子網を移動できる胞子ドライブを備えた唯一の船であり、宇宙のどこにでも一瞬で出現できる。
当初、胞子ドライブが起動できなかったが、胞子網の航路を知る巨大クマムシを胞子ドライブの装置に接続することで、自由にジャンプできるようになった。
胞子網とクマムシで宇宙をジャンプするという設定は、一見突拍子もない感じがするが、番組を見ている時にはまったく違和感を感じない。CGの説得力も手伝って本当に存在するような気になる。
ナショナル ジオグラフィック製作の「Cosmos: Possible Worlds」というドキュメンタリー番組があるが、「森の植物や動物は、菌糸体という地下のネットワークでつながり、メッセージを交換している」というエピソードは、ディスカバリーの胞子網を思い起こさせる。
ミシェール・ヨー
シーズン1のエピソード13では、ジョージャウの足技を多用した戦い方が目を引く。ジョージャウ役のミシェール・ヨー(Michelle Yeoh)は「ポリス・ストーリー3」や「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」に出ている俳優と知り、納得すると共にその身体能力の維持に驚愕した。