バックアップ活用テクニックの全巻を収録したDVDを数年前に購入した。でも、購入しただけで中身をあまり見ていなかったので、今回改めて中身を見てみることにした。
バックアップ活用テクニックとは
1985年7月15日に発行された「バックアップ活用テクニック」、通称「バッ活」は、月刊「ラジオライフ」の別冊として不定期に刊行され、15号から独立創刊となり季刊化(年4回)。
さらに31号より隔月刊化(年6回)され、1994年の38号まで発刊され続けました。
「総集編」の2冊と合わせるとその数は40冊に登ります。
その後は月刊化され、タイトルを「ゲームラボ」、通称「ゲーラボ」としてリニューアルして現在に至っています。
バッ活は、当時のゲーム愛好家心を刺激する内容として、ROMゲームやフロッピーディスクゲームなどを中心に、タイトル通り様々テクニックを紹介した伝説の雑誌です。出典:出版社三才ブックスのサイト
https://contendo.jp/store/sansai/Product/Detail/Code/J0010336BK0052432001/
最終号が1994年なので、かなり古い。ただし、バッ活はゲームラボと名前を変えてそれ以降も2017年まで続いていた。現在は休刊。バッ活=ゲームラボだと思っていたので、実はゲームラボも収録されていると勘違いしてDVDを買ってしまった。買ってからバッ活時代の全巻「だけ」が収録されていることに気が付いた・・・
DVD-ROMの価格
20,000円(18,519円+税)で購入した。2018年9月30日までは15,000円(13,889円+税)だったらしい。40冊分が収録されているということは、1冊あたり500円。当時の販売価格を見ると1000円なので、当時よりぜんぜん安い。三才ブックスのサイトで1冊ずつ購入することもできる。
https://contendo.jp/store/sansai/Feature/Detail/Page/220/
DVDの内容
バッ活全巻セットは、2枚のDVDがに収録されている。
DVD1: PART1~20
DVDには、1号から20号までが、それぞれ1つのPDFとして収録されているので、目的の号を簡単に見つけることができる。
当時の定価は、
1号: 発行年月日 (1985年)昭和60年7月15日 定価980円
20号: 発行年月日 1990年9月1日 定価1000円(本体971円)
なので、1号の発売時には消費税が存在しなかったことがわかる。1号の冒頭で、ソフトウェアの「バックアップ」が必要な理由が述べられている。
- 当時は、ソフトウェアのメディアがカセットテープかフロッピーディスクだったが、それらは事故でデータが消えてしまう。
- しかし、ソフトウェアにはコピープロテクトがかかっているものが多く、簡単にバックアップを行えない。
- バックアップを行うには、パソコンの仕組みを完全に理解する必要があり、ただ単にパソコンを使っているよりも高度な知識を要求される。
- 本書では、このようなソフトやパソコンの詳細な内部の仕組みを理解することを目的としている。
記事の内容としては、当時の記録メディアであるカセットテープやフロッピーディスクの仕組みや、パソコンやゲーム機器の改造の記事が多い。ちなみに、20号の掲載機種は、X1,MSX,X68000,PC-8801,PC-9801。元の本に誰かが書き込んだ謎のメモ(印刷時の記載ミスの修正?)がそのままスキャンされてPDFに残っていたりするのがよい感じ。
DVD2: PART21~38
当時の定価は
21号: 発行年月日 1990年12月1日 定価1000円(本体971円)
38号: 発行年月日 1994年8月1日 定価1000円(本体971円)
DVD2には、総集編1と2も収録されている。
総集編1: 発行年月日 1993年10月15日 定価1,000円
総集編2: 発行年月日 1994年10月15日 定価1,000円
38号の掲載機器は、PC88,PC-98,MSX,X680x0,AMIGA,メガドライブ,PCエンジン,スーパーファミコン,NEO-GEO,ファミコン,ゲームボーイ,ゲームギア。38号で、ゲームラボ創刊が予告されている。その時に紹介されていた、ゲームラボの企画内容は次のような感じ。
・ゲームとパソコンの強化改造
・アジア通信(あやしいアジアグッズ)
・ゲーム改造コード集
・美少女ソフト活用テクニック
・読者投稿ページ
バッ活を読んで思うこと
今見ると、意外に健全な感じがする。雑誌名の通り、もっとアングラな内容かと思っていた。紙面からは時代の熱気を感じる。業界も、編集者も、読者、すべてが若い。実際、プログラムの投稿者は現役高校生が多い。
今役立つ情報があるか
さすがに、カセットテープやフロッピーディスクのバックアップの知識が直接役立つことはあまりないかも知れないが、FPGAで自作パソコンを作りたい人には参考になる情報があるかも知れない。Raspberry PiやArduinoで電子工作を行う人も、クロックアップの改造などが回路実例として参考になるかも知れない。18号から連載が開始されたハード初級入門講座は今でもそのまま役立つかもしれない。
おすすめの号
まず、総集編1と2を読むのがお勧め。総集編2の噂の”真相をただす!!「バッ活」創刊ウラ話”がおもしろい。