シンギュラリティ

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情報処理学会の学会誌「情報処理」2015年1月号にシンギュラリティ(Singularity)が特集されていました。シンギュラリティとは、ある時点で人口知能(AI)などのテクノロジが人類の英知を超越し、それ以降は世の中が予想もつかないような変貌をとげてしまうといった考えです。
singularity

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2008年のIEEE Spectrumでもシンギュラリティが特集されていました。Web版では省略されているようですが、雑誌版では

「そんなもの絶対起こるわけない」
「起こるかもしれないが、何世紀も先だろう」

といった、テクノロジー業界の著名な方々のシンギュラリティに対する興味深いコメントが掲載されています。

シンギュラリティが起こると世の中はどうなるのか。次のようなことが言われています。

  • 人間は仕事をしないで、好きなことだけをして生活できるようになる(かも知れない)
  • 不老不死になる(かも知れない)

”好きなことだけをして生活できるようになるかも知れない”というのは素晴らしいですが、”不老不死になる”というのはいろいろ問題ありそうです。すべての人が不老不死になればよいですが、おそらく不老不死になるのはお金のある人だけでしょう(少なくともシンギュラリティ直後は・・・)。

これまでの人類の歴史は、”死だけは万人に平等に訪れる”という認識の上に成り立っています。”死だけは万人に平等に訪れる”という前提が崩れ去ると、確かに世の中は大きく変わるでしょう。

有名な発明家のRay Kurzweil氏は、2045年にシンギュラリティが起こり、マインドアップロード(人体に入れたナノマシンですべての情報をスキャンし、AIのようなコンピュータシステムにその情報をアップロードすること)で人間は不老不死になると考えています。
“マインドアップロードは不老不死と呼べないんじゃないか?”という疑念もありますが、

  • 意識とは何か
  • 自我とは何か
  • 肉体とは何か

といったことについて、改めて考えさせられます。

シンギュラリティについては、世界中で研究が進められているようです。仮にシンギュラリティが不発に終わったとしても、その過程で発展した遺伝学、ナノテクノロジー、ロボット工学などによって、(不老不死は無理でも)飢餓や難病といった人類の課題の解決が進んでいくのかも知れません。

はたして、2045年頃にシンギュラリティは起こるのでしょうか。

映画では2014年に公開されたトランセンデンスでシンギュラリティの世界が描かれています。重い雰囲気の映画ですが、難病が治るシーンには心を動かされます。

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