420の伝説(The Legend of 420)は、最近のアメリカの大麻に関する動向をまとめたドキュメンタリー映画。Netflixで視聴することができる。
印象に残ったエピソード
医療、芸術、食用などの分野での大麻利用が紹介されるが、その中で次のエピソードが特に印象に残った。
退職金でカンナビスの栽培
デトロイトでゼネラルモーターズの倒産で失業した人が、退職金でカンナビスの栽培室を作り、医療用の大麻を提供している。
医療大麻で子供の治療
ドラベ症候群(体全体の痙攣)の息子をもつ家族の話。子供の病気にカンナビスが有効だということがわかり、大学に戻って子供の病気を調べている時に、カンナビスに関する特許(米国特許番号 6630507号)を見つけたという。
特許の譲受人(assignee)が、アメリカ合衆国保健福祉省(HHS)となっているのが興味深い。この特許は、日本にも出願されているようだ。
日本特許の要約には、カンナビノイドが神経保護剤として特定の適用法を持つことが判明していると記載されている。
カンナビノイドはNMDA受容体の拮抗とは関連しない抗酸化性の性質を持つことが判明した。この新しく発見された性質によってカンナビノイドは、例えば虚血、年齢-関連、炎症及び自己免疫疾患などの広く異なる酸化関連疾患の治療及び予防の際に役立つものになる。カンナビノイドは、例えば脳卒中や外傷のような神経学的損傷に続いて起こる虚血障害を限定する際、または例えばアルツハイマー病、パーキンソン病及びHIV痴呆症のような神経変性性疾患の治療の際に、神経保護剤としての特定の適用法を持つことが判明している。例えばカンナビジオールのような精神活性のないカンナビノイドを用いれば、本発明の方法で用いられる高用量で精神活性のあるカンナビノイドを用いた場合に起こる毒性を避けられるため、その精神作用のないカンナビノイドは使用するのに特に有用である。神経保護作用の抗酸化剤として有用な特に開示されたクラスのカンナビノイドは化学式(化1)である。なおこの式中R置換基は独立してH、CH3、及びCOCH 3からなる群より独立して選択される。
基本となる請求項1の請求範囲は、かなり広い。
【請求項1】 酸化的ストレスによって引き起こされた疾患を有する被験者に治療的有効量のカンナビノイドを投与する工程を含む、酸化性ストレスによって引き起こされた疾患を治療する方法。
産業用大麻
コロラド州下院Jonathan Singer氏の産業用大麻の話が興味深かった。
大麻は、繊維を使う紙にも使われる。プラスチックに使われるときもある。水を大量に必要としない資源なので、水のない州には適している。州の農業地域の経済活性化につながる。
大麻入りコーヒー
ストラバ・クラフト・コーヒー(Strava Craft Coffee)は、CBDオイルを浸み込ませたコーヒー豆を販売している。
大麻クッキー
スイート・グラス・キッチン(Sweet Grass Kitchen)は、カンナビスバターを使ったクッキーを販売している。
ペットの治療
ペットの関節炎にCBDを使う獣医。紹介されていた薬は、CBDとTHCの比率が20:1なので、ペットがハイになる心配は不要らしい。
420とは
映画を最後まで観ても、タイトルにある”420″の意味がさっぱり分からなかったが、420は大麻(カンナビス)を意味するスラングらしい。つまり、”420の伝説”とは”カンナビスの伝説”という意味のようだ。