米国が最も恐れた男~その名は、カメジロー

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瀬長亀次郎は、沖縄の民衆をリードして戦後アメリカ軍の圧政と戦った人物。「米国が最も恐れた男~その名は、カメジロー」は、瀬長亀次郎のドキュメンタリー映画。

映画『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯』(2019):『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』(2017)オフィシャルサイト。
瀬長亀次郎のドキュメンタリー映画オフィシャルサイト。映画第2弾『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯』(2019):映画第1弾『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』(2017)

那覇市長時代

亀次郎は、アメリカの軍用地収用計画に対する強い反対姿勢と沖縄の日本復帰を掲げて、那覇市長選に出馬し、当選した。それに対してアメリカは、アメリカ軍が大株主の銀行の預金を封鎖し、那覇市の水道供給の停止を行った。その時、市役所にできた長蛇の列のエピソードが印象深い。
預金が封鎖された市や亀次郎を助けるために、納税に訪れた市民が列を作るとは、現在の日本では想像もつかない。

国会での発言

1971年、衆院沖縄・北方問題特別委員会での、当時の佐藤栄作総理と亀次郎とのやりとりの映像は圧巻。

憲法の一番の根本は、法の下での平等であるはずだが、何故沖縄県民は、このような過酷な強奪法のようなものを適用されなければならないのか。

御承知のように、今はアメリカが沖縄に政権を持っている過渡的な状態だ。これはもう、おわかりだと思うんですよ。瀬長君は百も承知の上で我々がこまるようなお尋ねをされておる。

私は、百も承知はしていない。本国会の冒頭の所信表明の沖縄問題に対する結語は、軍事基地の継続使用は返還の前提ともなる、覚えておいででしょうか。返還が目的ではなくて、基地の維持が目的である。この協定は、決して沖縄県民が26年間、血の叫びで求め要求した返還協定ではない。この沖縄の大地は、再び戦場となることを拒否する!基地となることを拒否する!

私と、瀬長君との間にはずいぶん隔たりもございます。ただ今の状態で、基地のない沖縄と言われましても、すぐにはできないことであります。しかし、私どもは、今言われるそういう意味の平和な豊かな沖縄県づくり、これにまい進しなければならないと思う次第であります。

佐藤栄作総理は、映像を見る限り、誰かが用意した原稿を読んでいる訳ではないようだ。一応自分の言葉で話しているように見える点が、国会の現状と比べて興味深い。

沖縄は、日本の敗戦で日本軍から解放されたが、その代わりにアメリカに占領された。そして、再び日本に復帰したが、解決していない問題が多い。この映画を見ると、辺野古基地問題は過去との地続きだということがわかる。

瀬長亀次郎、そして沖縄の、絶対的不利の状況に置かれても絶望の中に希望を見いだせる力には、感嘆の念を禁じ得ない。

沖縄に関するデータ

沖縄の面積は、約2,281平方キロメートル、人口は約140万人。面積は、香港やシンガポールより大きいが、人口は少ない(シンガポール:約560万人、香港:約750万人)。

沖縄県の面積は約2281平方キロメートルで、香川(かがわ)県、大阪府、東京都についで4番目に小さい県です。
沖縄の地図を、那覇(なは)市と大阪市が重なるようにおいてみると、沖縄がどんなに広い海の中にうかぶ島々かということがわかるでしょう。東西約1000キロ、南北約400キロにもなる、広大な海域を含めた沖縄の面積は、本州、四国、九州を合わせた広さの半分にもなるのです。

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