Marshall MS-2(ギター用ミニアンプ)の音が鳴らなくなったので修理した。音が鳴らない原因ははっきりしないが、ギターのシールドをつなぐモノラルジャックの接触不良のような気がしたので、ミニアンプのモノラルジャックを交換することにした。
モノラルジャック
Marshall MS-2のギター入力には、6.3mmモノラルジャックが使用されている。モノラルジャックは、秋月電子やマルツといった電子部品を扱うメーカーのウェブサイトから購入できる。モノラルジャック1個の値段は約100円。ただし、送料が別途500円程かかるので、送料を合わせると600円程になる(*購入金額が決められた額以上の場合、送料は無料になる)。
モノラルジャック1個買うのに600円はなかなか悩ましい。しかも、音が鳴らない原因はもしかするとモノラルジャック以外の可能性もあるので、できればあまりお金をかけたくない。
しばらく考えて、ミニアンプのヘッドホン出力用モノラルジャックを取り外して、ギター入力用モノラルジャックに交換する方法を思いついた。この方法だとモノラルジャックを購入する必要がない。ヘッドホン出力は使用できなくなるが、今までまったく使ったことがないので問題ない。
MS-2の分解
MS-2は、基本的にドライバが一本あれば分解できる。パソコンやスマホに比べれば簡単に分解できる。iFixitにも分解の記事があった。
まず、ミニアンプ前面のノブやボルト類は、ラジオペンチ等を使って取り外しておく。次に、裏側の4本のねじを外すと、ミニアンプの中が見えるようになる。
次に、ギター入力用モノラルコネクタが取り付けられている基板をアンプケースから取り外す。注意点は、基板にはんだ付けされている電源用LEDだけ。モノラルジャックを交換するには、基板にはんだ付けされている電源用LEDの足をはんだを使って外す必要がある。LEDの足は、はんだ吸取線を使用すると簡単にはずれた。
モノラルジャックの交換
ギター入力用モノラルジャックの取外し
ギター入力用モノラルジャックは、基板と3点で固定されているので、はんだ吸取線ではんだを吸い取って基板から外す。
ヘッドフォン出力用モノラルジャックの取外し
同様に、AC電源供給用の基板に取り付けられているヘッドフォン出力用モノラルジャックも取り外す。出力用モノラルジャックは、スピーカーとヘッドフォンの切り替えスイッチ機能があるので、5点ではんだ付けされている。
ヘッドフォン出力用モノラルジャックを取り外しただけでは、スピーカーから音が出なくなってしまうので、配線などで基板上の2ヶ所をはんだ付けして接続しておく必要がある。この2ヶ所は、ヘッドフォンが接続されていない時に、モノラルジャックのスイッチで接続されていた箇所になる。
モノラルジャックの取り付け
取り外したヘッドフォン出力用モノラルジャックを、ギター入力用モノラルジャックとして基板に取り付ける。しかし、実はギター入力用モノラルジャックとヘッドフォン出力用モノラルジャックは形状が同じではない。具体的には、ヘッドフォン出力用モノラルジャックは、部品自体の高さが低い。
このため、ヘッドフォン出力用モノラルジャックをそのまま基板にはんだ付けしてしまうと、アンプケースのギターシールド挿入穴の位置が合わなくなってしまう。
ヘッドフォン出力用モノラルジャックは基板に直接はんだ付けできないので、配線で基板と接続することにした。また、ヘッドフォン出力用モノラルジャックには、ヘッドフォンとスピーカーの出力切り替えスイッチの端子があるが、それらは不要なので未使用状態にした。
電源用LEDは、再度基板に直接はんだ付けするのは大変なので、こちらも配線で基板と接続した。アンプケースの外側からボルトでスイッチやモノラルジャックを固定すると、次のような感じになる。
アンプケースを元に戻す
アンプケースの裏蓋を閉じてネジ止めすれば完成。ヘッドフォンジャック部分は何もない状態になる。