世界の今をダイジェスト-ハッパ

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「世界の今をダイジェスト(原題: Explained)」は、世界で話題のトピックの解説を行う番組。アメリカのニュース解説メディア会社VoXが提供し、Netflixで視聴することができる。1つのトピックは20分程度の長さなので、空いた時間などに気軽に視聴することができる。

Introducing Explained, from Netflix and Vox
This is a show about the big topics often neglected by the daily news cycle.
世界の"今"をダイジェスト | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
世界中で加熱するK-POP人気、仮想通貨の台頭、ダイエットの落とし穴など様々な社会現象を、米国のニュース解説メディアVoxが幅広く取り上げ検証する。

ハッパ

“ハッパ(原題:WEED)”は、本番組が解説するトピックの一つ。大麻に関する基本知識の整理に役立つ。

  • 中央アジアでの2700年前の出土が大麻使用の最古のエビデンス。
  • 元は同じ植物が2つに別れた。1つは繊維が強い種類、もう1つは 精神活性化作用(psychoactive potency)があるもの。
  • 寒冷気候で育つ麻であるヘンプは、活性作用はない。服やロープなどの繊維材料として使われた。
  • 中東では大麻樹脂を固めたハシシ(hashish)が広く普及した。インドでは聖なる飲料に使われ、アフリカでは薬や戦いの前の強壮剤として使われた。
  • 1753年に、植物学者のカール・リンネ(Carl Linnaeus)が背が高く葉が細い種類をカンナビス・サティヴァ(Cannabis Sativa)と命名した。
  • その後、インドの山地で発見されたのが、カンナビス・インディカ(indica)。濃色で厚い葉を持つ。
  • ロシアで小ぶりのカンナビス・ルデラリス(ruderalis)発見された。
  • インディカとサティバの分類は、通説にすぎない。交配を繰り返した結果、見た目と効果は無関係。70%サティバといった表示に根拠はない。純粋種の遺伝子サンプルが存在しないので、遺伝子検査でもわからない。
  • 100種類以上ある含有物質の総称がカンナビノイド。
  • 主な精神活性物質の名前はテトラヒドロカンナビノール(THC: Tetrahydrocannabinol)
  • 抗不安作用のある物質がカンナビジオール(CBD: Cannabidiol)
  • 大麻は、カナビノイドの他に400種類以上の活性化合物を含んでいる。
  • 内因性カナビノイド([narrator] Endocannabinoid systems)は、昆虫を除く全ての動物が持ち、進化上大きな役割を果たしていると考えられる。
The world’s weed market is rapidly changing. Most people have no idea what they’re buying.
This is not your mother’s weed. We took a look at how it’s changed on our new Netflix show, Explained.

シンセミア

この番組のシンセミアの解説がわかりやすい。シンセミア(Sinsemilla)は、スペイン語で”種無し(seedless)”という意味。よく写真などで見かける、大麻から出ている透明な突起のようなものが何を意味しているのかよく分かった。

樹脂のイメージ

樹脂のイメージ

・ほとんどの植物は、花に雄と雌の両方の部分があるが、大麻は種をつける雌株(only produced seeds, female)と花粉を作る雄株(only produced pollen, male)に別れている。
・大麻の雌株は、活性作用の強い大きな花をつける。
・雌株だけを隔離すると、受粉前の雌株が花をつけ、長い間咲いた後に受粉できずに終わる。
・雌株を隔離する栽培法で、花から樹脂が滲み出ることがわかった。
・雌株が受粉すると、THCの生成が抑制されて種をつける。隔離してしまえば受粉しないため、THCの生成は抑制されない。
・このような雌株から挿木で新しい株を育てれば、受粉を省略できる。
・シンセミアのTHC含有量は通常の数倍。

出演者の一人であるカイル・クシュマン(Kyle Kushman)のコメントが印象深い。

残念ながらこいつらは一生生殖せず、ひたすら樹脂を作り続ける。花粉を惹きつけるために。

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