Netflixで”WEED THE PEOPLE”を視聴した。
WEED THE PEOPLEの日本語サブタイトルは「大麻が救う命の物語」。アメリカ、カリフォルニア州で、大麻オイルで治療を行う子供の癌患者とその家族、患者家族をサポートする大麻カウンセラーや医師に密着したドキュメンタリー作品。
主な登場人物
カウンセラー、医師
Mara Gordon: Founder, Aunt Zelda’s Inc.
ドキュメンタリーで登場する大麻カウンセラー。大麻オイルの4,500種の組み合わせの中から、依頼者に合った大麻の治療法を見つける。依頼者の了承を得て治療データを収集し、他者に役立てている。患者家族をつなぐ、映画の主要な人物の一人。
Mara Gordonは、TEDにも登壇している。
Bonni Goldstein, MD
医師。患者に対して、医療大麻を使えるかどうか法的に判断する。
ドキュメンタリーでは、Bonni Goldsteinがその患者に医療大麻を使えるかどうか法的に判断し、Mara Gordonが大麻オイルのサポートを行うという協力関係に見えた。
ドキュメンタリーで語られたアメリカの大麻の歴史
アメリカでは1937年の大麻課税法で、実質的に大麻が禁止されたという。米会議は1970年に、大麻を乱用の危険性が高く医療用ではないとしてスケジュールIに分類した。カテゴリーIは、ヘロインやLSDと同じ分類になる。一方、コカインは、”限定的な医療用途があるため”一つ下のカテゴリーIIに分類される。
連邦政府は”研究が不十分で大麻はスケジュールIから外せない”という。その一方で”スケジュールIだから研究させない”といい、何もできない状況になっているが、アメリカ以外の国では大麻の研究が進められているので、それが大麻をスケジュールIから外すのに使える可能性がある。
大麻の抗癌作用の証拠を1974年に初めて示したのは、米国立癌研究所
(National Cancer Institute)だという。画面には以下の論文が表示されていた。
CNNニュースの場面では、番組内で次のようなやりとりがある。
アメリカ政府は、脳の保護剤としての大麻の特許を保有している。なぜ政府が特許を?政府は特許を持つ一方、大麻は医療に使えないとしている。これは前代未聞の偽善だ。
画面は以下の特許が表示されていた。
WEED THE PEOPLE
ドキュメンタリーは、2017年のカリフォルニアで患者家族が集まるシーンで終わる。闘病中の場面を振り返ると、最後の場面は驚かずにはいられない。科学療法の副作用を大麻が抑えて、より化学療法が効果を発揮するように働いているように感じた。化学療法を行っている病院の理解も必要だということが分かった。
このドキュメンタリーは、登場人物が自分のためではなく誰かのために戦っている。たから観ていて心を打たれる。
ドキュメンタリーの冒頭タイトル表示で、”WE THE PEOPLE->WEED THE PEOPLE“とアニメーションで”WE”の後に”ED”が挿入される。どういう意味なのかと思ったら、”We The People”は、ホワイトハウスのWebサイトで、米国政府に対する請願を受け付けるシステムらしい。そういえば、辺野古署名で利用したことがあるのを思い出した。